クラウドセキュリティの不安はなぜ消えない?原因と現実的な対処法を解説

株式会社サイバーセキュリティクラウド

投稿日:2026/05/21

クラウドを使っているのに、「本当に安全なのか」という不安がなかなか消えない。そう感じている情シス担当者やITマネージャーは少なくありません。クラウドは便利で拡張性も高い反面、「何を、誰が、どこまで守るのか」が見えにくい構造になっており、その見えにくさが不安の根本にあります。
本記事では、クラウドセキュリティへの不安が生まれる原因を整理したうえで、リスクへの向き合い方と対処の選択肢をわかりやすく解説します。

クラウドセキュリティに不安を感じるのはなぜか

クラウドセキュリティへの不安は、特定の誰かが抱える特別な悩みではありません「クラウドに移行したものの、本当に安全なのか確信が持てない」「アラートは来るけれど、何を優先すべきかわからない」「インシデントが起きたとき、自分たちで対応できるのか」。こうした不安の背景には、いくつかの共通した要因があります。それぞれ見ていきましょう。

「クラウドはオンプレミスより危険」という認識の実態

「クラウドはオンプレミスより危険だ」と感じている方は多いかもしれません。しかし、必ずしも事実ではありません。AWS・Azure・Google Cloudといった主要クラウドプロバイダーは、データセンターへの入退室管理、生体認証、電力・ネットワークの冗長化、暗号化対応といった物理的なセキュリティについては、大半の企業がオンプレミスで実現するよりも高い水準を確保しています。

問題は「クラウド自体が危ない」のではなく、「クラウドを使う側の設定・運用に問題が生じやすい」という点にあります。設定のミスや管理の不備を原因とするセキュリティインシデントは多く、その責任は利用者側にあります。

リスクが「見えない」ことが、不安の正体

オンプレミス環境であれば、サーバは自社内に置かれており、物理的な状態を目で確認できます。一方、クラウドはその名の通り「どこにあるか見えない」存在です。ログはどこに記録されているのか、誰がアクセスしているのか、攻撃の兆候はないか。こうした情報を把握できていなければ、異常の検知遅れに直結します。

不正アクセスやランサムウェアといった攻撃は気づかないうちに進行し、設定ミスも発覚するまで放置されがちです。IPA(情報処理推進機構)の調査*1では、サイバーインシデント被害企業の35.1%が個人情報漏えいの影響を受けており、被害後の復旧には平均5.8日を要しています。「何かが起きているかもしれないが、確認する手段がない」状態こそが、クラウドセキュリティへの不安の正体です。

*1 出典:2024年度中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査(速報版)|IPA 独立行政法人情報処理推進機構

セキュリティ専任不在という組織的な課題

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」*2でも、ランサムウェアやサプライチェーン攻撃が上位を占め続けているうえ、2026年版では「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて3位にランクインしました。AIを悪用した攻撃の容易化・手口の巧妙化が現実の脅威となっており、 サイバー攻撃の手口はますます高度化・多様化しています。にもかかわらず、国内の中堅・中小企業の多くでは、情シス担当者がセキュリティ以外の業務も兼任しており、専任のセキュリティ担当者を置く余裕がないのが実情です。

セキュリティ専任がいないということは、最新の脅威情報へのキャッチアップ、アラートの精査、インシデント対応の訓練といったことがすべて後回しになりがちです。「何かあったときに誰が対応するか決まっていない」「対策を講じたいが、何から手をつければよいかわからない」こうした状態が続くと、問題が起きてから慌てて対処する「後手対応」に陥りやすく、インシデントへの初動が遅れるリスクが高まります。

*2 出典:情報セキュリティ10大脅威 2026 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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クラウドセキュリティリスクを生む「責任共有モデル」への思い込み

クラウドセキュリティへの不安を語るうえで、もうひとつ見落とされがちな問題があります。それが「責任共有モデル(Shared Responsibility Model)」への理解不足です。責任共有モデルとは、クラウドプロバイダーと利用者がそれぞれ「何を守るか」を分担するという考え方ですが、「クラウド事業者がセキュリティを全部やってくれている」と思い込んでいる企業は少なくありません。正しく理解していないと、「守られているつもりで実は守られていない」状況が生まれます。不安を感じる以前に、そもそもリスクに気づけていないケースです。

参考:「AWS 責任共有モデル」をもとに作成

実際には、データの暗号化・アクセス制御・バックアップ・監査ログの取得・セキュリティパッチの適用(IaaSの場合)など、重要なセキュリティ対策の多くは利用者側の責任です。

この誤解のまま運用を続けると、設定ミスや管理不備による事故が発生した際に「クラウド事業者の責任では?」と思い込んで初動対応が遅れる、という事態につながりかねません。ここでは、よくある誤解のパターンを3つ挙げます。

「バックアップはクラウド側が自動でとってくれている」

実際には、バックアップポリシーの設定・管理は利用者側の責任です。自動バックアップが有効になっていない場合、データを誤って削除しても復元できません。「大丈夫だと思っていたのに、消えたデータが戻らない」という事態は、この思い込みから生まれます。

「OSのパッチ適用はクラウド側がやってくれる」

IaaSではゲストOS以上の管理はすべて利用者側の責任です。脆弱性が公表されても、パッチを適用するかどうかは利用者が判断・実施しなければなりません。対応が遅れるほど、攻撃にさらされるリスクは高まります。

「ストレージのアクセス制御はデフォルトで安全なはず」

設定を誤れば、ストレージが外部から誰でもアクセスできる状態になります。「触っていないから安全」という思い込みが、気づかないまま情報漏えいが進行するという最も防ぎやすいはずのリスクにつながります。

「どこまでが自社の責任か」を明確に把握することが、対策を考えるうえでの前提となります。

クラウドセキュリティの不安を解消するために、自社で対策できること

不安を解消するための第一歩として、まず自社でできることを押さえておきましょう。

自社でできることとして、クラウド環境のセキュリティ設定の棚卸し、ログ・アラートの確認、アクセス権限の整理といった現状把握から始めることが重要です。対策の種類は多岐にわたりますが、最初に手をつけるべきは「侵入口を減らす」ことです。具体的には、多要素認証(MFA)の全アカウントへの適用、不要なアクセス権限の削除、IAM(Identity and Access Management)権限の最小化は、専任担当者がいない環境でも比較的取り組みやすく、効果が高い対策です。

ただし、侵入を完全に防ぐことは難しいため、万が一侵入された場合に備えた対策も欠かせません。攻撃者はひとつのアカウントやサービスに侵入した後、そこを足がかりに別のサービスや権限へと横展開(ラテラルムーブメント)を試みます。各サービスへのアクセス権限を必要最小限に絞り、サービス間の不要な連携を排除しておくことで、侵入後に被害が広がる範囲を限定できます。

さらに「異常を見逃さない仕組み」として、監査ログの有効化とアラートの通知先設定を済ませておくことで、発生後の原因追究や影響範囲の特定ができる状態が整います。ログが取得されていなければ、事後対応の起点となる情報がなく、復旧にも時間がかかります。

こうした対策の全体像と具体的な進め方は、以下の記事で体系的に解説しています。ぜひ自社の設定を見直す際の出発点としてお役立てください。

クラウドセキュリティとは?リスク・安全性から、対策までをわかりやすく解説

難しいのは「始めること」より、継続することにあります。

設定の棚卸しは一度やれば終わりではなく、クラウド環境に変更が加わるたびに見直しが必要です。脆弱性が公表されれば対応を迫られ、新しいサービスを追加すれば権限設計をやり直す必要が生じます。これを兼務の情シス担当者が他業務と並行してこなし続けることには、人手・時間・専門知識のいずれかが必ずどこかで不足するという、構造的な限界があります。

「一度対策した」という事実が安心感を生み、次の変化への対応が遅れる。これが、自社対応の落とし穴です。

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クラウドセキュリティの不安を「自社だけで解消」が難しい理由

自社対応の限界は、担当者個人の問題ではありません。人材・時間・知識、そのどれかが必ず不足するという現実が背景にあります。

セキュリティ人材不足という構造的な問題

サイバーセキュリティ分野の国際的な非営利団体 であるISC2の「ISC2 Cybersecurity Workforce Study 2023」*3によれば、国内のサイバーセキュリティ人材は約11万人規模で不足しているとされています。クラウドセキュリティに精通した人材はさらに希少であり、採用市場での競争は激しく、即戦力を確保することは容易ではありません。

人材が確保できたとしても、クラウドセキュリティの技術は進化が速く、継続的なスキルアップへの投資が欠かせません。専任担当者1〜2名では対応範囲に限界があり、担当者の休暇・異動・退職があった際に組織の対応力が一気に低下するリスクもあります。

*3 出典:How the Economy, Skills Gap and Artificial Intelligence are Challenging the Global Cybersecurity Workforce | ISC2

アラート対応の属人化が生む見落としリスク

クラウド環境では、AWS Security HubやMicrosoft Defenderなどのセキュリティサービスを活用することで大量のアラートが通知されます。しかし、アラートの量が多すぎると「アラート疲れ」が生じ、本当に対処すべき重大な通知を見落とすリスクが高まります。

さらに、アラート対応が特定の担当者に集中している場合、その担当者が不在のタイミングで重大なインシデントが発生した際に初動が遅れる危険性があります。

夜間・休日の対応空白というリスク

サイバー攻撃は深夜・休日を問わず発生します。実際、攻撃者は防御が手薄になるタイミングを狙って仕掛けてくることが多く、平日の業務時間だけ監視していれば十分、というわけにはいきません。

社内で24時間365日の監視体制を構築しようとすると、シフト勤務ができるだけの人員確保・監視ツールの導入・エスカレーションフローの整備・定期的な訓練など、多大なコストと工数がかかります。多くの企業にとって、これを社内だけで実現することは現実的ではありません。

専門家チームへの運用アウトソースという選択肢

「自社での対応には限界がある」。そう感じ始めたとき、専門家チームへの運用アウトソースという選択肢が現実的になります。セキュリティ監視・運用を代行する専門事業者はMSSP(Managed Security Service Provider)と呼ばれており、運用を委託することで自社のリソース不足を補いながら高い専門性に基づいたセキュリティ対応が可能になります。

アウトソースのメリットは、人材確保・育成のコストを削減できること、最新の脅威情報や知見を活用できること、そして専門家チームによる継続的なセキュリティ対応を実現できることです。

パートナー選びでまず確認したいのは、クラウドプロバイダーから公式に認定されているか否かです。AWS MSSPコンピテンシーなどの認定は、第三者による厳格な審査を通過した証であり、技術力・運用体制の信頼性の裏付けになります。次に、対応可能なクラウド環境の範囲(AWS・Azure・Google Cloudなど)、インシデント発生時の対応フローの明確さ、実績・事例の豊富さも確認しておきたいポイントです。

クラウドセキュリティの不安解消ならCloudFastener

CloudFastener(クラウドファスナー)は、こうした選定ポイントを満たす、AWS・Azure・Google Cloud環境のセキュリティ運用支援を専門とするサービスです。脅威の検知から是正支援まで、専門チームが一貫して対応します。

AWS・Azure・Google Cloudをワンストップでカバー

CloudFastenerは、AWS・Azure・Google Cloudの3大クラウドに対応したセキュリティ運用支援サービスです。複数のクラウドを併用するマルチクラウド環境でも、窓口を分けることなく一元的にセキュリティ運用を任せられる点は、導入企業にとって大きな安心感につながります。クラウド環境の構成が複雑になるほどセキュリティの死角が生まれやすくなりますが、CloudFastenerであればお客様のシステム環境を把握した上で、プラットフォームの標準セキュリティサービスを用いてクラウドセキュリティの運用をご支援します。

検知から是正支援まで、専門チームが伴走

CloudFastenerの特長は、脅威の検知・分析から是正支援までをワンストップで対応できる専門チーム体制にあります。お客様の環境に伴走するTAM(テクニカルアカウントマネージャー)、技術的な分析・対応を担うセキュリティエンジニア、最新の脅威情報を収集・提供するセキュリティインテリジェンスチーム、そして日常的な運用サポートを担うCS(カスタマーサポート)が連携し、インシデントの初動から根本原因の特定・再発防止までを支援します。「アラートは来るが何をすべきかわからない」「対応してくれる人手がいない」といった現場の課題に、専門家チームが対応します。

3つのAWS認定が証明する技術力と信頼性

CloudFastenerは、セキュリティ専門事業者としての技術力・信頼性を示す3つのAWS認定を取得しています。

AWS MSSPコンピテンシーパートナー(世界14社目)

AWSによる厳格な審査をクリアした事業者のみに与えられる認定で、マネージドセキュリティサービスの高い専門性を証明するものです。

AWS Security Incident Response Readyパートナー

インシデント対応における体制・プロセスの成熟度が認められた認定です。

Amazon OCSF Readyパートナー

セキュリティログの標準フォーマットであるOCSF(Open Cybersecurity Schema Framework)への対応を認められた認定で、国内ではCloudFastenerのみが取得しています。(2026年3月時点)

クラウドセキュリティの運用に課題をお持ちでしたら、まずはご相談ください。CloudFastenerでは、現状のクラウド環境に対する課題のヒアリングや、最適な運用支援体制のご提案を承っています。

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