クラウド移行とは?オンプレミスからクラウドへの移行メリット・手順を解説

株式会社サイバーセキュリティクラウド

投稿日:2026/04/23

「クラウド移行を検討しているが、経営層にどう説明すればよいかわからない」「予算は取れそうだが、何から始めるべきか判断できない」こうしたお悩みをお持ちではないでしょうか。

技術的な話は専門ベンダーに任せるとしても、「なぜ今やるのか」「自社にメリットがあるのか」「どんなリスクがあるのか」の判断軸は、推進担当者が自ら持っておく必要があります。

本記事では、経営判断・社内合意・ベンダー選定を進めるうえで必要な情報に絞って解説します。コスト・ROI・体制づくり・失敗パターンといった実務的な観点を中心に、クラウド移行を成功させるための判断軸をお伝えします。

目次

クラウド移行とは、企業が保有するデジタル資産をオンプレミス環境からクラウド環境へ移すプロセスのこと

クラウド移行とは、企業が保有するデータ・アプリケーション・インフラといったデジタル資産を、自社で管理するオンプレミス環境からクラウド環境へ移すプロセス全般を指します。対象範囲は社内サーバ上のシステムやデータベース、業務アプリケーション、ネットワーク機器やセキュリティ設備など多岐にわたります。
クラウド移行が完了すると、企業は物理的なハードウェアを自社で保有・管理する必要がなくなり、インターネット経由でITリソースを必要な分だけ利用できる状態になります。近年では単純な「サーバの引っ越し」にとどまらず、業務プロセスそのものをクラウドの特性に合わせて最適化する取り組みへと発展しています。

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クラウド移行が進む背景

クラウド移行が今これほど注目される背景には、主に3つの事情があります。

1.ITインフラの老朽化問題
経済産業省が警告した「2025年の崖」に代表されるように、基幹システムのブラックボックス化が経営リスクとして顕在化しています。
あわせて、インフラ領域の脆弱性情報の収集・管理・パッチ対応といったセキュリティ維持コストも年々増大しており、自社運用の負荷はさらに高まっています。

2.働き方・業務基盤の変化
テレワーク普及とDX推進により、場所を選ばない業務基盤がもはや標準的な経営要件となっています。

3.事業成長への対応とスケーラビリティ
ビジネスの成長やサービスの拡大に伴い、ITインフラに求められるスケールは変化し続けます。しかしオンプレミス環境では、トラフィックの急増や新規サービスの立ち上げに対応するたびに、サーバの調達・設置・設定という時間のかかるプロセスが発生します。クラウドであれば必要なときに必要なリソースを即座に確保・縮小できるため、事業のスピードに合わせた柔軟なインフラ運用が可能になります。
これらはいずれも、対応が遅れるほど競争力の低下や経営リスクの拡大につながる課題です。クラウド移行はその打ち手のひとつとして、多くの企業で検討が進んでいます。

オンプレミスとクラウドの違い

クラウド移行を検討する前提として、オンプレミスとクラウドの根本的な違いを正確に把握しておくことが判断の出発点になります。ここでは、コスト・拡張性・セキュリティ導入スピードなど、移行の意思決定に関わる主要な観点で比較します。

比較観点オンプレミスクラウド
イニシャルコストサーバ・設備の購入費が数百万〜数千万円規模で発生します。初期投資はほぼ不要。月額の利用料として計上できます。
ランニングコスト固定費(減価償却・保守契約・人件費)が継続的に発生します。利用量に応じた変動費モデル。繁閑に合わせてコントロールできます。
拡張性増設には機器調達・設置の期間(数週間〜数ヶ月)が必要です。需要に合わせてリソースを即時に増減できます。
セキュリティ責任ハードウェアからアプリまで、すべて自社が管理・責任を持ちます。インフラ層は事業者が担当。アプリ・データ管理は自社の責任です。
導入スピード機器調達から稼働まで数ヶ月かかることがあります。アカウント作成後すぐに利用開始できます。
カスタマイズ性ハードウェアレベルから自由に設計できます。サービス仕様の範囲内での設定・カスタマイズになります。

重要なのは「クラウドのほうが優れている」という二項対立ではなく、自社のシステム要件・組織体制・規制環境に照らして最適な選択をすることです。独自のOS設定やレガシーなハードウェア依存が強く、標準的なクラウド環境への適合が困難な基幹系システムや、法規制上の制約があるデータはオンプレミスに残し、需要変動が大きいWebサービスやコラボレーション基盤はクラウドへ移行するという、ハイブリッドな構成を採る企業も少なくありません。

クラウド移行のメリット

クラウド移行のメリットは技術的な話にとどまらず、コスト・経営インパクト・組織の俊敏性といった経営視点の効果が大きいのが特徴です。以下の観点を中心に整理しましょう。

コスト削減

オンプレミスのコスト構造は、サーバ購入・設備維持・保守契約・担当者人件費などの固定費が積み重なる形です。ハードウェアの単体購入費用のみを数年単位の期間で比較すればオンプレミスが低価格に見える場合もありますが、実際には運用保守の人件費、物理拠点の維持費、セキュリティ対策の更新コストといった「目に見えないコスト(TCO)」がその数倍かかっているのが実情です。障害発生時の代替サーバの手配、パッチ適用前の検証環境の確保、保守期限切れへの対応など、何か問題が起きるたびに検討事項が連鎖的に拡張していきます。こうした運用コストまで含めたTCO(総所有コスト)で比較したとき、初めてクラウド移行の経済的優位性がみえてきます。クラウドへ移行すると、固定費を利用量に応じた変動費へ転換でき、繁閑差のある事業では特にコスト適正化効果が高くなります。
コストを比較する際は「現在のインフラ維持コスト(5年合計)」と「クラウド移行後のコスト(移行費用+運用費5年合計)」などで比較するとよいでしょう。AWS Pricing Calculatorなどのクラウドサービスの公式ツールで試算値を出すこともできます。

事業スピードの向上

新サービスの立ち上げや需要急増への対応において、クラウドはオンプレミスと比べて圧倒的にスピードで優ります。オンプレミスで同じことをしようとすれば機器調達から数ヶ月かかるところを、クラウドであれば数時間〜数日で対応できます。これにより、IT基盤がビジネスのボトルネックにならない状態を実現でき、DX推進や事業成長の土台が整います。

BCP(事業継続計画)リスクの低減

クラウドを利用することで、オンプレミスでは困難だった「物理的に離れた拠点へのバックアップや待機系の設置」が容易になります。適切なDR(災害復旧)設計を行うことで、万が一の際にもビジネスを止めない強固なBCP対策を実現できます。自社でDRサイト(緊急時のバックアップ用施設・設備)を別途構築・維持するコストと比較すると、クラウドは高い費用対効果でBCP体制を整備できます。「事業継続リスクへの対応」という観点で移行の意義を説明する際に有効な論点です。

運用リソースの最適化と攻めのITへのシフト

物理資産の管理や老朽化対策といった「現状維持のための工数」を最小化できるのがクラウドの利点です。低レイヤーの管理をクラウド事業者に委ねることで、社内のIT人材を「守りの業務」から「付加価値の高い業務」へとシフトさせることができます。 インフラ管理はゼロにはなりませんが、管理の目的を「安定稼働」から「事業スピードへの貢献」へと転換し、組織全体の生産性を向上させることが可能です。

最新技術の即時利用と検証スピードの向上

AWSやGoogle Cloudなどのプラットフォームでは、生成AIや高度なデータ解析基盤が常にアップデートされています。自社でゼロから基盤を構築・検証する膨大な期間とコストをスキップし、「最新技術をすぐに試せる環境」を手にできることが最大の利点です。市場の変化に合わせて、競争力のある機能をスピーディに現場へ投入する「技術的な即応性」が確保されます。

クラウド移行のデメリット・注意点

クラウド移行の課題は「技術的な問題」より「組織的・計画的な問題」で失敗するケースが多く見られます。ここでは、事前に把握しておくべき注意点を整理します。

セキュリティ・ガバナンスと責任範囲の再定義

クラウド移行では、利用者側が責任を持つ範囲(責任共有モデル)が明確に定義されます。特に、ID・アクセス管理(IAM)やネットワークの疎通設定はインフラ構築と密接に関係しており、これら「設定の正しさ」がそのままセキュリティレベルに直結します。
しかし、クラウドは設定の自由度が高く、数千に及ぶサービスごとに詳細な権限設定が存在します。そのため、オンプレミス時代の「境界防御(外側を固める)」の感覚で運用すると、設定ミスによる情報漏洩や権限の過剰付与といったリスクを招きやすくなります。
移行にあたっては、「インフラを構築する役割」だけでなく、設定がポリシーに沿っているかを継続的に監査・監視する「セキュリティ統制の役割」を明確に定義し、クラウド特有の構成管理に習熟した体制を整えることが不可欠です。

社内合意形成と関係部門の巻き込みが必要

クラウド移行はIT部門だけでは完結しません。業務システムを利用している各部門の業務フロー変更・利用ルールの整備・教育対応が必要になります。「IT部門が進めていたが、業務部門から後になって反発を受けた」という失敗はよく見られます。
推進担当者としては、移行計画の初期段階から業務部門の代表者を巻き込み、「誰のために何を変えるのか」を共有しておくことが合意形成の鍵です。

移行期間中の二重コストとスケジュール遅延

クラウド移行の期間中は、オンプレミスの維持費とクラウドの利用費が同時に発生します。移行プロジェクトのスケジュール遅延は、二重コスト期間の長期化に直結するため、現実的なスケジュール設定と進捗管理が必要です。社内リソースだけでプロジェクトを進めようとして工数不足に陥るケースも多く、専門パートナーの活用も選択肢に入れておきましょう。

ベンダー選定ミスと依存リスク

クラウド移行の成否は、どのベンダーを選ぶかにも大きく左右されます。安価な初期費用を提示されても、移行後のサポート体制や追加コストが想定外に膨らむケースがあります。また、特定ベンダーへの依存度が高まりすぎると、乗り換えコストが高くなる「ベンダーロックイン」のリスクも生じます。「移行支援の実績」「移行後の伴走体制の有無」「契約条件の透明性」の3点を比較することをおすすめします。

自社システムはクラウド移行すべき?判断基準

すべてのシステムを一律にクラウドへ移行すべきというわけではありません。技術的な適性だけでなく、事業環境・組織体制・コスト面から総合的に判断するための基準を整理します。

システム適性での判断比較

まずシステムごとに「クラウドに向くか・向かないか」を仕分けします。以下の比較表を参考にしてください。

クラウド移行が向くシステムオンプレミス継続が向くシステム
需要変動が大きく、スケールアップ・ダウンが頻繁に必要処理量が安定していてリソースの最適化がしやすい。
リモートワークや多拠点からのアクセスが必要。社内LAN完結で外部アクセスが不要。
インフラ保守の専任担当者が不足している。自社にインフラ運用の専門チームがある。
新機能や最新技術を素早く取り込みたい。独自ハードウェアや特殊なOS環境への依存が強い。
BCP・災害対策を強化したい。

法規制・コンプライアンス上クラウド利用に制約がある。
ITコストを固定費から変動費へ転換したい。長期的に安定稼働しており、移行コストが見合わない。

経営視点でのチェックポイント

技術的な適性に加えて、以下の観点から経営判断を整理すると、社内での意思決定が進みやすくなります。

チェック1. 現状のインフラ維持コストは適正か
サーバ購入・保守契約・電力・ラック費用・担当者人件費を合算すると、想定より大きな固定費が積み上がっているケースが少なくありません。移行後のクラウドコストと比較して、5年・10年単位のTCO(総所有コスト)で優位性があるかを確認することが第一歩です。

チェック2. インフラ老朽化のリスクはいつ顕在化するか
現在使用しているサーバやシステムの保守期限・サポート終了時期を確認しましょう。サポート切れのシステムを稼働させ続けることは経営上の無視できないリスクです。「あと何年で限界が来るか」を可視化することで、移行の緊急度を経営層に示す材料になります。

チェック3.社内の推進体制を確保できるか
移行対象によっては、クラウド移行はIT部門・開発部門のみで完結するプロジェクトではありません。業務部門との調整・経営層への説明・ベンダー管理など、横断的な推進体制が必要です。社内に専任の推進担当者を置けるか、あるいは外部パートナーに委託するかを含めて体制を検討しましょう。

チェック4.セキュリティへの対応も判断基準に含める
「移行すべきか」の判断において、セキュリティの観点も欠かせません。クラウドに移行しても、データやアクセス権限の管理は利用者の責任です。移行計画の段階からセキュリティ設計を組み込めるか、移行後も伴走してくれるパートナーを確保できるかを、判断基準の一つに含めておきましょう。

「移行しない」判断の基準

クラウド移行が必ずしも最善策でないケースも存在します。独自ハードウェアへの強い依存・法規制上の制約・移行コストが便益を上回る安定稼働システムなど、オンプレミス継続が合理的な判断になる場面もあります。「クラウド化ありき」ではなく、自社にとっての最適解を選ぶ姿勢が重要です。

クラウド移行の手法「7R」

クラウド移行の方法論として広く使われるのが「7R」フレームワークです。システムごとに最適な手法を選ぶことで、移行コストとリスクを最小化できます。

手法内容選定の目安推進コスト感
Refactorクラウドネイティブな設計にアプリを作り直します。長期的なコスト削減・事業拡張性を最初から重視したい。
Replatform一部をクラウドサービスに置き換えながら移行します。運用負荷を下げながら、段階的に最適化したい。
Repurchase自社システムをSaaSなどのパッケージに乗り換えます。自社開発の維持コストが高く、SaaSで要件を満たせる。
Rehostシステムをそのままクラウド上の仮想サーバへ移行します。早期移行を優先したい。社内リソースが限られている。中~低
Relocate仮想マシンなどを別のクラウド環境へそのまま移動します。既存の仮想基盤(VMwareなど)をそのままクラウドへ移行したい。
Retire不要なシステムを移行対象から外して廃止します。棚卸しで利用実態のないシステムが見つかった。
Retain当面はオンプレミスのまま維持します。移行優先度が低い、または規制上クラウド化が困難。

移行完了までのスピードを重視するなら、最初にRehostで既存システムを移行し、安定稼働を確認しながら、ReplatformやRefactorへ段階的に移行する「まず動かす、それから最適化する」アプローチが現実的です。
長期的なコスト削減や機能拡張性を最初から重視するなら、Refactorで設計を抜本的に見直すアプローチが効果的です。
7Rはあくまで判断するためのフレームワークであり、いずれの手法を選ぶ場合も、社内体制とベンダーのサポート範囲を確認したうえで決定しましょう。

クラウド移行の手順

クラウド移行は計画なく進めるとトラブルの原因になります。以下のSTEPに沿って段階的に進めることで、クラウド移行の手順を体系的に押さえることができます。

STEPTO DO推進担当者が押さえるポイントよくあるつまずきポイント
STEP1課題・目的の整理「なぜ移行するのか」「移行で何を解決したいのか」を明確化し、KPIを設定する。経営層・IT部門・業務部門で認識をそろえる。「とりあえずクラウド化」というあいまいな目的のまま進み、移行後に効果を説明できなくなる。
STEP2現状把握(棚卸し)システム一覧・依存関係・保守状況の整理。IT部門と連携して全資産を可視化する。「使われていないと思っていたシステム」が実は業務に組み込まれていた。
STEP3優先順位付け移行による業務インパクトとリスクを評価し、着手順序を決定する。重要システムから着手してトラブルが発生し、経営層の信頼を失う。
STEP4移行手法の選定7Rを参考にしながら、自社の予算・スキル・スケジュールに照らした現実的な手法を選ぶ。移行コスト試算は、現状のオンプレミス維持費と5年単位などで比較。技術的に最適な手法と、社内体制で実現可能な手法が乖離している。
STEP5計画策定・社内合意スケジュール・予算・担当者・ロールバック手順を文書化。経営層・関係部門への説明と合意形成を行う。特に合意文書がない場合にリスクが高まる。
STEP6テスト移行・検証本番前のリハーサルで業務フローへの影響を確認する。テスト結果を社内関係者と共有する。テストが不十分なまま本番移行し、業務停止が発生する。
STEP7本番移行の実施業務影響の少ない時間帯(深夜・週末)での実施を計画。移行前後の動作確認と報告体制を整備する。移行直後の問い合わせ急増に対する窓口・サポート体制が整っていない。
STEP8移行後の最適化コスト・セキュリティ・運用体制の継続的な見直し。「移行完了」を終点にしない仕組みを作る。移行後に担当者が異動・退職し、運用ノウハウが属人化する。

社内推進体制の設計

クラウド移行プロジェクトの推進には、IT部門・業務部門・経営層の3層それぞれへの働きかけが必要です。IT部門に技術的な判断を委ね、業務部門には影響範囲の説明と合意取得を行い、経営層には定期的な進捗報告とリスク共有を続ける体制を最初に整えましょう。
外部ベンダーやパートナーを活用する場合は、「技術的な移行作業を委託する」だけでなく「プロジェクト全体の推進支援をしてもらう」という形にすることで、社内リソースの不足を補えます。特にクラウド移行の経験が少ない組織では、経験豊富なパートナーのプロジェクト管理支援が移行成功率を大きく高めます。

クラウド移行のよくある失敗と対策

クラウド移行では、技術的な問題よりも計画面での失敗が多く見られます。ここでは、移行プロジェクトで繰り返し見られる失敗パターンと対策案を紹介します。

目的・スコープが曖昧なまま進めてしまった

ハードウェアの老朽化対応」をきっかけにプロジェクトが動き出すケースは多いですが、「移行の先にある具体的なビジネス上のゴール」が定義されないまま進むと、移行対象の範囲が際限なく広がり、関係者の認識もばらばらになります。その結果、移行後に「何のためにやったのか」を経営層に説明できない状況に陥ります。
プロジェクト開始前に「何を解決するための移行か」をKPIとして定義し、経営層・IT部門・業務部門で合意しておくことが必須です。コスト削減率・インシデント件数の削減・開発リードタイムの短縮など、測定可能な指標を設定することで、移行後の効果検証も可能になります。

コストが想定より膨らんだ

クラウドの料金試算はクラウド利用料だけで行われがちですが、実際には移行工数・外部パートナー費用・社内の教育コスト・移行期間中のオンプレミスとの二重コストが重なります。また、移行後もリソース管理の仕組みを整えないと、使われていないインスタンスやストレージが放置され、想定外のコスト膨張が起きます。「クラウドにすれば安くなる」という期待値と実態のギャップが、失敗の背景にあります。
コスト試算はクラウド利用料だけでなく移行工数・パートナー費用・二重コスト期間を含めた5年間のTCOで比較することを推奨します。移行後はタグ管理・予算アラート・月次コストレビューの仕組みを移行当初から組み込み、未使用リソースの定期棚卸しを運用の習慣として定着させましょう。

ベンダー選定を価格だけで決めてしまった

安価なベンダーほど移行後のサポート体制が薄く、問題発生時の対応が遅れたり、想定外の追加費用が発生したりするケースが多く見られます。移行プロジェクトの総コストのうち、移行後の運用・保守コストが占める割合は大きく、初期費用だけで比較すると判断を誤ります。複数社に提案依頼(RFP)を出し、初期費用だけでなく5年間の総費用を比較する形式にすると、判断の精度が上がります。

セキュリティ対策を後回しにしてしまった

「まず移行を完了させてから、セキュリティは落ち着いてから対応する」という判断は、移行プロジェクトでよく見られます。そのような対応をした場合、移行直後はシステムが最も無防備な状態であり、設定ミスや権限の不備がそのまま残ります。クラウドではインフラ層の保護はクラウド事業者が担いますが、アプリケーション・データ・アクセス権限の管理は利用者の責任であり、後追いの対応ではコストも手間も大きくなります。
セキュリティ設計は移行計画の策定段階から並行して進めることが不可欠です。AWS提供のセキュリティフレームワーク(AWSセキュリティ成熟度モデルなど)を活用して対策の優先度を可視化し、「今すぐ対処すべき項目」から着実に整備していく体制を移行前から整えておきましょう。

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【クラウド移行事例】株式会社アイスタイルのAWS全面移行

実際にクラウド移行を実施した企業の取り組みを紹介します。美容・コスメの総合プラットフォーム「@cosme」を運営する株式会社アイスタイルでは、老朽化したオンプレミス環境による運用負荷や拡張性の限界といった課題を背景に、AWSへのクラウド移行を実施しました。クラウド移行により、インフラ運用の見直しと最適化が進み、より効率的な運用体制を実現しています。
また、従来は複雑化していたセキュリティ対策についても、クラウド環境に合わせて再設計。対策の優先順位を明確化することで、運用負荷の軽減とセキュリティリスク可視化・優先順位付けを同時に実現しました。これにより、重要なアラートへの対応精度が向上し、インシデントの見逃し防止にもつながっています。
具体的な課題・改善内容については、以下の事例ページで詳しく解説しています。

株式会社アイスタイルの事例 | AWSへの全面移行に併せてセキュリティ対策の優先度を明確な状況にできました

クラウド移行のセキュリティ対策には専門家による運用支援を活用しよう

クラウド移行を成功させるには、「目的の明確化」「段階的な計画の策定」「セキュリティ対策の同時進行」の3点が不可欠です。
移行手法の選定(7R)から手順、コスト管理・セキュリティまで、どれか一つが欠けてもプロジェクトは想定通りに進みません。特にセキュリティは「移行後に考える」のではなく、計画段階から並行して取り組むことを強く推奨します。
株式会社サイバーセキュリティクラウドのCloudFastener(クラウドファスナー)では、個社のクラウド環境に合わせてカスタマイズされたコンサルティングサービスを提供しています。日本企業としては初、世界でも14社目としてAWS MSSPコンピテンシー認定されており、AWSファンデーショナルテクニカルレビュー(FTR)の認証も取得しているので、高い信頼性を誇ります。
クラウド移行のセキュリティ対策にお悩みの方は、無料のサービス資料をぜひご確認ください。

クラウド移行についてよくある質問

オンプレミスからクラウド移行のメリットは?

コスト削減・事業スピードの向上・BCP対策・インフラ管理工数の削減・最新技術の活用・ハードウェア老朽化リスクの解消など、経営視点での効果が多くあります。
詳しくは「クラウド移行のメリット」をご確認ください。

クラウド移行の懸念点・注意点は何ですか?

クラウド移行では、セキュリティ責任範囲の見直し・社内合意形成・ベンダー選定ミス・移行期間中の二重コストなどが主な懸念点です。特にセキュリティは「移行後に考える」のではなく、計画段階から並行して取り組むことが重要です。
詳しくは「クラウド移行のデメリット・注意点」をご確認下さい。

クラウドへの移行のステップは?

クラウド移行は、課題整理から移行後の最適化まで8つのステップで進めることができます。各ステップの詳細と、つまずきやすいポイントについては以下で解説しています。
詳しくは「クラウド移行の手順」をご確認ください。

AWSのデータ移行のベストプラクティスは?

AWSへの移行では「7R」フレームワークをもとに、システムごとに最適な手法を選ぶことが推奨されています。まずRehostで素早く移行し、安定後にReplatformやRefactorへ段階的に移行する方法が現実的です。
詳しくは、「クラウド移行の手法「7R」」をご確認ください。

クラウド移行のリスクは?

目的・スコープの曖昧さ、ベンダー選定ミス、セキュリティの後回し、現場への周知不足、移行後のコスト管理不備などが代表的なリスクです。事前に失敗パターンを把握しておくことが成功への近道です。
詳しくは、「クラウド移行のよくある失敗と対策」をご確認ください。

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